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PDAとパネルPCが注目のIA製品、今年下半期が量産のカギ

 

 Computex2001には数多くの製品や技術が出展されているが、情報家電製品(IA:Information Appliance)が最も注目を集めていることに疑いの余地はない。台湾メーカーは従来のパソコン中心の経営方式を拡大し、IA製品のOEM/OEM業務に着目しており、すでに商品化されたIA製品を出展している。早ければ今年下半期から量産を開始し、量産にとって重要な時期となることが予測される。

 情報家電のカバーする範囲は広いが、出展メーカー各社の製品ラインはほぼ似通っている。ここ1年で急成長したPDAは当然の事ながら、会場で注目される製品の1つとなっている。機能や規格がノートPCとPDAの中間に位置するパネルPCも注目されている。ソフトウェアメーカーもIA製品向けに設計を始めている。開発したソリューションを売り込むことを主旨としているものの、ハードウェアとソフトウェアを統合したサービスで市場を開拓するという戦略は明らかだ。

PDA製品の日進月歩


 ついにPalmOSのライセンスを取得したAcer(宏碁電脳)はComputexにおいて「モバイル・データ」を展示のテーマとしている。PDAのような移動体データ処理設備と移動体データサービスを2本柱とするトータルソリューションを提供し、両者の相補性を強調している。単に製品を展示する他社と比べて、全く異なる効果を得ている。

 Acerは現在PDAを企業向けに絞っている。このため、グループの資源を統合し、トータルソリューションにより単独のハードウェアでの販売ではなくなる。移動体データサービスに関しては、サイトの情報、ニュース、電子メールサービスなどを含む。認証については、HiTRUST Inc.(網際威信)のHiTrustを採用し、ユーザーがPDA上でサインすれば、会社の方針、契約やその他の重要事項を確認することができる。企業は大量のデータを伝達する必要があるため、Acer Sertek(宏碁科技)がソリューションを提供している。「eChannel」は企業のシステムと統合し、PDAで在庫や価格などの情報を調べることが可能だ。

 第4四半期から量産が開始される予定のAcerのPDAは、コンパクトを特長としている。さらに、現在PalmOSのライセンスを取得しているが、その他OSも使用して、より多様化されたソリューションを発売する可能性もある。

 Mitac(神達)のPDAは、LinuxとWindowsCEを主なプラットフォームとしている。カラーとモノクロの2機種があり、9月に量産を開始する予定。顧客のニーズによってOEMまたはODMを行うことにしている。

 単純なコンピュータ周辺設備メーカーから積極的に転身しているLite-on(光宝)も、IA領域の研究成果を展示している。また、FIC(大衆)もPDA製品を展示している。

パネルPCの急成長


 PDAブームの兆しは昨年のComputexからみられ、ここ1年で市場に幅広く受け入れられてきた。一方、機能や規格の面でノートPCとPDAの中間に位置するパネルPCも、市場の洗礼を受け始めようとしている。

 大手家電メーカーのTatung(大同)は、パネルPCの主な市場は家庭と学校にあるとみている。使いやすく、携帯に便利なため、家庭や学校で使われていたPCに取って代わる可能性を持っている。Tatungは多機種のパネルPCを同時に発売している。デザインやサイズは異なるが、CPUやOSなどの規格はほぼ同じだ。WindowsCEとLinuxが主なプラットフォームで、無線ネットカードを内蔵しているためアクセスポイントに接続することができる。学校や家庭で使用される場合、デスクトップPCやノートPCよりもコンパクトで使いやすい。

 他社と同様に、TatungもOEMのビジネスチャンスに着目し、顧客のニーズに応じて必要なサービスを組み合わせている。TatungはPDAを発売しているが、PDA市場がまだ萌芽期にあり混乱しているため、自社ブランドではなくOEM/ODM方式で生産することにしている。

 ADI(誠洲)のXPADもノートPCに近い機能を持ち、WindowsCEをメインのプラットフォームとしている。

 数多いパネルPCの中で、10.4型スクリーンがよくみかけられるが、Mitac(神達)はWebPADに8.4型スクリーンを採用しているため、類似品に比べてコンパクトだ。Mitacによると、会場に展示されたWebPADはプロトタイプだが、受注状況に応じて第4四半期から量産する見通し。このシリーズはコンパクトで、アプリケーションプログラムとネット接続などノートPCに近い機能を持っている。OSについては、WindowsCEを標準機種に採用しているほか、顧客のニーズに応じてLinuxも採用している。

 FICの「AquaPAD」も8.4型液晶スクリーンを採用しているほか、無線ネットカードで無線ネット接続サービスを提供し、多機能を備えている。

 Heisei Electronics(平成電子)のパネルPCはビジネスマン向けで、OSにはWindowsCEを採用し、Microsoft Office、個人情報管理システムを加えている。さらにモデム、ネットポート、USBポート、CCDカメラなどを内蔵している。

統合応用が急進展


 PDA、パネルPCに関わらず、機能とアプリケーションソフトはデスクトップPCやノートPCには及ばない。このため、ネット接続が情報のメインソースとなっており、各社が付加価値を与える部分でもある。ブルートゥースまたは無線ネット規格IEEE802.11bに対応するタイプが多い。これらは通常無線ネットカードを内蔵または外付けすることで対応している。さらに、各メーカーは携帯電話との統合の研究にも力を入れている。

 Acer(宏碁)によると、従来のPDAは必要なデータを取り入れるにはHotSync方式でPCと接続する必要があった。しかし無線ネットが普及し、PDAもGPRS規格の携帯電話端末とつなげるだけで、企業のネットに接続できるようになっている。

 ECI(奕康資訊)のGSM PalmPhoneは、PDAと携帯電話の機能を統合している。外勤の従業員が多い企業や業界を対象としており、無線でデータの取り込みや伝達ができ、GSM携帯電話の通話料金で済む。

 展示されているIA製品にはPDAとパネルPC以外に、セットトップ・ボックスがある。Windows Terminal技術を採用したスリム型ユーザー端末だ。また、さらに多くの商機をつかむため、徐々にソフトウェア技術からサービスに転換しているソフトウェアメーカーも、IA領域における成果を展示している。

 例えば、安全対策の専門家であるTrend(趨勢嘉義)は「GateLock」と「eStation」の2タイプを出展している。これは企業のサーバで使用され、ネットを通じて顧客にサービスを提供することができる。Linuxをプラットフォームとするソフトウェアソリューションを開発するAxtronics(文佳科技)も、スリム型サーバとセットトップ・ボックスなどの製品に自社のアプリケーションソフト技術を採用している。会場に展示されているのは、両社のブランド名が入ったIA製品だが、ソフトウェアメーカーは積極的にハードウェアメーカーやインターネット・プロバイダと提携し、自社のソフト技術を他社のハードウェアやサービスと統合して、さらに大きなビジネスチャンスを開拓しようとしている。あくまでもIA製品のハードウェアの開発や販売は、ソフトウェアメーカーの本業ではないからだ。