2014/04/07

◆COMPUTEXに出展する日本企業<3>シロク(茨城県) 台湾で開発資金調達、モジュール生産を委託 

茨城県の「つくば研究支援センター」に入居する企業。社員数8人のベンチャー企業である。創業者は技術者で自ら「光学式タッチパネル」を開発し、量産化にまでこぎ着けた。「光学式タッチパネル」とはモニターの上部の左右2か所に取り付けたカメラによってディスプレイ上の指の動きを感知し、プラズマTVや液晶TVなどに装着するだけでさまざまな表示機器がタッチパネルとして利用できるという技術。画期的な後付式のタッチパネルユニットである。(NHKの天気予報の番組で使われている大型モニターにはシロク製のタッチパネルが使われているという)
 シロクは独自のCMOSイメージセンサーの開発。台湾企業をパートナーとすることにより、日本では2年かかると言われていた開発を1年でやってのけ、2~3億円かかるといわれてた開発資金も7千万円にまでコストダウンし、その資金も台湾企業を通じて現地調達して資金繰りを行った。
 この独自のCMOSイメージセンサーを使ったタッチパネルは対外乱性に優れ、現在はドライバレスでWin8のマルチタッチに対応している。パソコンモニタから、デジタルサイネージ、電子黒板用途まで幅広い用途に使用できるのが特長である。COMPUTEX2013では4つのカメラを使い、4つのタッチポイントまで認識する新製品を発表。年商数億の取り引きを手がけるようになる。また、新製品としてメタルメッシュや銀ナノワイヤーを使った静電式の10点タッチで84インチの超大型タッチパネルを世界に先駆けて開発中である。2013年の年末には開発が完了予定。日本ではほとんど無名であるが、台湾や中国のパネルメーカーからの技術力の高さで注目され、アジアでは「タッチパネルのシロク」という技術ブランドが確立している。
出展担当責任者は、「台湾企業は垣根が低い。我々が中小企業でもベンチャー企業でも技術力さえあれば分け隔てなく付き合ってくれる。最初にCOMPUTEXに出展したときには、台湾の大手パネルメーカーが次々と技術提携の呼びかけを申し出てきて、こちらとしては嬉しい悲鳴だった」と話す。
「まずはアジアで何が通用するか、自分たちの『強み』を徹底的に見極めることが重要。そして、展示会でその『強み』を徹底的に主張することも重要。しかし、『強み』とは必ずしも最先端、高付加価値ではない。実は、品質にこだわりすぎることが仇になることもある。アジアでは『いいモノが売れる』のではなく、『売れるモノがいいモノ』なのである」とのコメント。実績に裏付けられたコメントだけに説得力がある。
 また、シロクの進出をサポートしたコーディネーターの方は、「市場が求めているのは『最先端』ではなく『半歩先端』、『高付加価値』ではなく『中付加価値』である。現場のニーズは現場でしかわからない。独りよがりの最先端、高付加価値はアジアでは必要ない」という辛口のコメントも・・・。彼もまたさまざまな事例を見てきた上で日本企業の「弱点」をこう指摘する。


ASIA-NET 吉村

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