2014/10/12

■日曜コラム■通訳がメモと記憶で訳すことができる時間は30秒が目安<通訳を使うテクニック -6->

メモと記憶で訳すこと訳すことができる適正な時間は、やはり30秒程度と考えてください。話の組み立て方や話すときの声やフレーズの区切り方など、話し手側が気を配れば通訳はよりいっそう高いレベルの技能を発揮できるはずです。

企業訪問の自己紹介の場面で、日本語がわからない相手であれば、間に必ず「通訳」が入ります。自己紹介の時間では自分が話す時間だけではなく、通訳が訳す時間も考慮しなければなりません。また、ミーティングや商談のとき、通訳に1分も2分も長々と話す人がいますが、フレーズの長さは30秒程度を目安にするべきです。

例えば、時計を見ながら1分間何か話をしてみてください。「1分間」という時間が意外に長い時間であることがわかるはずです。通訳を使って話をするとき、フレーズの長さは30秒程度と心得ておきましょう。要点ごとにフレーズを短く区切って、短いフレーズで伝えたいことを簡潔に話すことがポイントです。

それから、中国語と日本語は文法構造が異なります。日本語に比べて中国語はひとつの事柄を表現するときに短い語彙ですませることができます。短い音節で日本語より時間をかけずにコンパクトに表現できることも特徴です。だいたい日本語で1分ほど話をすると、中国語の訳はその4分の3ぐらいの時間と考えるといいでしょう。逆に中国語で1分話の話を日本語に訳する場合、日本語は1.3倍ぐらいの時間がかかることになります。

◇話し手側が気を配れば、通訳はより高いレベルでの対応が可能

もちろん、話し手のスピーチが1分続いても・・・、2分続いても・・・、話し手が話した内容を忠実に的確に訳してくれる通訳もいます。優秀な通訳です。言葉の一言一句を丁寧に訳し、ジョークまでも見事に訳してくれる通訳もいます。本当のプロの通訳です。

しかし、通訳がプロの通訳であっても、話し手が無造作に日本語を話せば、通訳には少なからず「負荷」がかかっているはずです。まして事前に通訳者のレベルをチェックすることはなかなか難しいことです。通訳者に負担をかけないためにも話し手側の気配りが必要です。

通訳の技能とは、メモを取る、記憶する、頭の中で訳すべきポイントを整理する、言葉に出すべきポイントをまとめ直す、相手側の言葉に置き換えて話す、つまり通訳者はこの5つの動作を瞬時に行っているのです。話のテーマと流れ、話し手のリズムとフレーズ、この点を考えた場合、やはり30秒ぐらいでフレーズを区切って言いたいをまとめるのが適切です。

次回は「同時通訳」と「逐次通訳」とではどちらが難しいか、というテーマを取り上げます。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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