2014/12/28

■日曜コラム■ビジネス折衝では通訳との目標の共有を<続・通訳を使うテクニック -2->

通訳との事前打ち合わせにはたっぷり時間をかけるべきです。ビジネス折衝を行うとき、通訳と事前にどれだけの打ち合わせ(意識合わせ)ができているか、それがビジネス折衝の結果を大きく左右することになります。通訳は言葉のプロです。しかし、「事前の打ち合わせがなくても大丈夫だろう」、「時間の関係で打ち合わせは必要最小限で」といった方がいます。

まれに、「打ち合わせ時間も発生する通訳のコストを削減するために・・・」と考える方もいるようです。多くのコストをかけて出張で現地にやってきて、ほんのわずかな打ち合わせコストを削減しようと考えるようでは思いやられます。

繰り返しますが、事前の打ち合わせがビジネス折衝の成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。
「とにかくぶつかってみる」、「まずは相手の出方を見てから」といった姿勢でビジネス交渉に臨むことはタブー。通訳とは十分な打ち合わせの時間を設けるべきです。

多くの事例を見てきて、交渉に臨む際にその交渉が個人の経験やノウハウに委ねられているケースがたいへん多いように思います。中国通の担当者がいて、中国側との折衝が個人の経験に委ねられ、その人が持っている個人的な経験やノウハウがビジネス折衝や交渉の成否を左右するというケースです。

中国通であるタフなネゴシエイターがいる会社は成功し、そうでない会社は事がなかなかうまく進まない。こういうことがよくあります。もちろん、中国ビジネスに関して、異文化理解に長けていることはビジネス折衝を成功に導く重要な要素です。中国人の価値観や考え方、会社に対する就業意識、仕事に取り組む姿勢を理解することはたいへん重要なことであり、これらのポイントはタフなネゴシエイターを目指す人だけでなく、異文化理解は中国ビジネスに携わる人すべてが理解しておいていただきたいポイントです。

しかし、個人の経験やノウハウに頼る交渉ではなく、チーム全員で取り組む交渉を目指すべきです。全員で交渉の目標と交渉に取り組む姿勢を共有し、結果を勝ち取るための交渉に臨むべきなのです。そして、その交渉やビジネス折衝では通訳が大きな役割を担うことになります。通訳をもっと早い段階から交渉に臨むチームの打ち合わせに参加させておくべきです。

もちろん、通訳は現地にいるわけで、通訳を早い段階から打ち合わせに参加させることは難しいでしょう。しかし、特定の通訳がいる場合(出張のたびに通訳を指名するケースや現地の提携企業のスタッフが通訳としてビジネス折衝に関わるケースなど)、テレビ会議やメールやSkypeなどで、できるだけ事前の打ち合わせに参加させる機会を設けたほうがよいとお思います。

まず、ビジネス折衝や交渉の最終目標を明確にする。次に最も理想的な結果と最悪のケースを想定し、いくつかのシナリオを準備する。③そして、ビジネス折衝のテーマ、論点となるポイント、ビジネス折衝の進め方などチーム内での意識合わせを行い、こうしたビジネス折衝の準備の段階から通訳にもこうした点について説明を行う。こうした一連のプロセスを経てビジネス折衝の準備を行うときに現地の通訳者にも早い段階から打ち合わせに参加してもらうわけです。通訳との意識の共有ができていると、通訳は言葉を置き換えるプロとしてだけでなく、いっしょにビジネス折衝に臨む「最強の戦力」として活用することができます。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia

◆Yahoo! JAPAN ビジネスニュースにてコラムを執筆中
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