2015/01/04

■日曜コラム■同一地域の出張には指名通訳を<続・通訳を使うテクニック -3->

頻繁に中国出張がある皆さんは出張先での通訳をひとり決めておくことをお勧めします。信頼できる通訳が見つかれば、できる限り同じ人物に依頼するほうがよいでしょう。あなたのビジネスを知り、あなたの会社の事情を知り、繰り返し担当することになって経験を積み、より協力な「戦力」、力強い「味方」になるはずです。

「いい通訳を見つけたら長くつきあう」というのが私の持論です。同じ地域に頻繁に出張がある方は、出張先での通訳を1人決めておくことをお勧めします。毎回、同じ通訳を指名するわけです。繰り返し担当することによって経験を積み、より強力な戦力、より力強い味方になるはずです。

通訳は単に言葉を置き換えるだけではありません。たとえば、ビジネス折衝であれば最終的な目的を理解し、折衝の進め方や落としどころを理解し、社員のひとりとしてビジネス折衝に臨むことが理想です。可能な範囲で事前に会社の事情や現地で取り組みビジネスを説明しておき、通訳にもビジネス折衝の事前準備の段階からミーティングに参加させておくとよいでしょう。

たとえば、現地ヒアリングが目的の通訳であれば、会社概要、製品概要などを事前に説明しておくとよいでしょう。企業訪問の冒頭で日本側が自己紹介をするとき、日本人の担当者がひとつひとつ日本語で説明する時間を省くことができます。通訳が中国語で会社概要や訪問目的などを訪問先の担当者に伝えればよいことです。効率よく時間を使うことができます。担当者は最後に重要なポイントだけを短くコメント。現場で自己紹介のとき通訳が訳すのはこのコメントだけです。

いい通訳に巡り会えたら、できるだけ同じ人物にもう一度仕事を依頼して、通訳との関係作りを心がけてください。出張のたびに「指名」し、継続して仕事を依頼することができたら理想的です。出張先で信頼できる通訳が見つかったら、できるだけ長くつきあうべきです。毎回、同じ通訳を指名できるような体制作りを目指しましょう。

いい通訳をどうやって探すか・・・

では、最初にどうやっていい通訳を見つけるか、それはひとつの大きな問題かもしれません。初めて行く土地で優秀な通訳を事前に見つけることはなかなか難しいことです。

まず、公的機関からの紹介や派遣会社からの紹介という方法があります。または現地に友人がいれば友人に通訳の紹介を頼んでみるといいかもしれません。現地の「招商局」(日本企業からの企業誘致を行う公的機関機関)でも通訳の紹介をサポートしてくれるケースもあります。また、日系の会計事務所やウェブコンサル会社に相談してみるのもよいでしょう。

最近ではSNSで通訳探しをするケースもあるようです。ネットワークを活用して通訳を探すのも効果的な方法のひとつです。しかし、いきなり見ず知らずの人に通訳をお願いするわけにはいきませんので、まずは友人に通訳探しをお願いするところからスタートです。

たとえば、条件などを告げてFacebookで友人に通訳を探しを依頼すると(中国の場合はWechat)、その友人がさっそくコメントの書き込みをして情報を回してくれます。仕事の内容にもよりますが、たいていはあまり時間がかからずに誰か引き受け手が見つかります。

ここで注意しなければならないのは通訳との「契約」です。通訳の日時、場所、開始時間と終了時間(待ち合わせ場所と最終終了地点)、通訳の内容、そして「報酬」も正確な金額を明確に先方に伝える必要があります。

また、休憩時間の有無、交通費支給の有無、昼食代の有無、出張が入る場合は旅費、宿泊費も含めて、経費の支払い方法について(立て替え後に精算するか、同行者がその場で立て替えるか、または事前に一定金額を渡しておくかなど)しっかりと相手に知らせておく必要があります。

敢えて、通訳との「契約」という言葉を使わせてもらったのは、友人の紹介で通訳を依頼する場合、「お友達感覚」でさまざまな条件が曖昧なままに話を進めてしまうことがあまりにも多いからです。「友人の紹介だから」といって甘えは禁物ですし、逆に友人の紹介だからこそ通訳本人には詳細な条件をきちんと提示して、両者が納得の上で仕事に臨みたいものです。

仕事として通訳を依頼するわけですから、適正な報酬を支払う代わりに、通訳に要求すべき点は遠慮なく要求する。このようにビジネスライクに話を進めるべきでしょう。


■日曜コラム■担当:ASIA-NET代表 吉村 章
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Bridging people, business and culture in Asia

◆Yahoo! JAPAN ビジネスニュースにてコラムを執筆中
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoshimuraakira/

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