2017/03/31

◆Computex2016レポート(9) Computexを理解する3つの切り口<その3> 半歩先端のComputex

Computexを見る3つの切り口の3つめ。最後のキーワードは「半歩先端のComputex」である。これは技術出展や製品のプロトタイプの出展、またはこれまでとは違った新しいコンセプトの製品や応用技術を活かした製品の出展など、ちょっと進んだ技術や製品トレンドを見るComputexである。

これらの製品の多くはSmart Technology Applications & Productsエリア(通称「スマテク・エリア」)に出展される。今年は信義区の「第3ホール」に10のテーマパビリオンが集められ、「スマテク・エリア」が設けられた。「半端先端」を見たい場合は迷わず「第3ホール」への直行。ここから見て回ることをおお勧めしたい。

Computexを訪れる日本人バイヤーからこんな感想を耳にすることがある。「思ったほど目新しい技術がない・・・」、「先端技術に欠ける・・・」とのコメント。日本の大手ベンダーからも「弊社にもある技術」、「この技術はすでに一般的・・・」、「台湾はまだまだこの程度か・・・」といった声も聞くこともある。しかし、こうした見方はある意味でComputexの「本質」を理解していないコメントだといえる。

実は、Computexに出展されるこれらの技術やソリューションは、必ずしも革新的な最先端技術というわけではない。最先端の技術が結集された製品や高付加価値の製品というよりは、実用可能な先端技術の応用や製品を量産化するところに台湾企業の「強み」がある。

つまり、「最先端」ではなく「半歩先端」、「未来の革新的な技術」ではなく、「いまビジネスに最も近い実用先端」の技術なのである。これはComputexを視察するときの注意点である。展示会で本当に最先端技術を見たければ、アメリカのCESへ行くべき。または日本のCEATECでも見ることができる。

しかし、Computexの技術は製品化や量産化を控えた「キーテクノロジー」であり、具体的なビジネスチャンスを生むビジネスの最前線にある技術である。「その年のクリスマス商戦で何が売れるか」、世界中からComputexに集まるバイヤーはこの点に注目する。「最先端技術」を見に来たのではなく、「売れるもの」を探し、その製品を実際に調達に来ているのである。

言い換えると、寝かせておくとすぐに陳腐化してしまう技術でもある。技術アライアンスのコーナーでは売り込み競争も熾烈であり、買い付け側の動きも速い。つまり、Computexは「最新技術」を見る場なのではなく、製品調達やパートナー探しの商談の場であり、さまざまなビジネスチャンスが交錯するビジネスの最前線なのである。

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◆Computex2017 & InnoVEX2017 開催概要
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*Computex2017とは製品調達及び海外におけるパートナー探しの展示会
*InnoVEX2017とはベンチャーが集まる「ピッチ」と「技術出展」のイベント
主 催:台北市コンピュータ協会(TCA)、台湾対外貿易発展協会(Taitra)
会 期:Computex2017 5月30日 (火曜日)~6月3日(土曜日) 5日間
     InnoVEX2017 5月30日 (火曜日)~6月1日(木曜日) 3日間
時 間:午前9時半~午後6時まで (ただし、最終日は午後4時まで)
会 場:台北世界貿易センター (信義区3会場)、南港ホール(南港地区)
InnoVEX2017 世界貿易センター第3ホール(信義区) 
出展規模:Computex 1,602社、5,009小間(2016年実績)
InnoVEXベンチャー企業217社(2016年実績)
ピッチエントリー企業102社/ファイナリスト25社/優勝賞金100万ドル
来場者・海外から登録者177の国と地域から40,969人(2016年実績)
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