2019/09/06

Computex2019 & InnoVEX2019レポート_6_なぜInnoVEXに注目が集まるのか

■スタートアップベンチャーのイノベーションに期待

台湾大手ベンダーがComputexで独自のソリューションを出展する動きに拍車がかかっている。年々分野を広げて製品ラインナップを増やし、より積極的に多角的全方位戦略に向かう動きだ。(後半のphotoレポートでも詳しく紹介)

しかし、台湾大手ベンダーと言っても市場のニーズに応える技術革新をすべて自社で開発を行うには限界がある。自社でもさまざまな分野でIoTやAIの技術開発やイノベーションに取り組んでいるが、市場が求めているニーズは動きが早い。次にどんな分野で市場が立ち上がるか、予測は難しい。Smart○○○という広範囲な分野で網を張り、市場のニーズをいち早く察知して、技術開発からプロトタイプを作り上げ、実証実験を経て小ロット生産、さらに量産に繋がるビジネスモデルを作り上げる。言葉にするのは簡単だが、これまでの実績と経験だけでは限界がある。

こうした賄いきれない技術やソリューションを台湾大手ベンダーはスタートアップベンチャーに期待している。スタートアップベンチャーの技術やソリューションをうまく自社開発の製品に取り組んで、新しい製品を開発するベンダーも少なくない。またはスタートアップベンチャーに投資し、新しい分野への試金石とする動きもある。

2016年に始まったInnoVEXはそうした業界のニーズをうまく捉えた取り組みであると言えるだろう。単なるブームに乗るためのイベントではなく、大手ベンダーが技術やソリューションをうまく取り組む仕組みでもある。変化する時代の中で台湾ベンダーが業界での生き残りをかけた取り組みであるということもできる。台湾大手ベンダーの戦略の変化にうまくマッチした取り組みである。

こうした取り組みはスタートアップベンチャー側から見ても都合がいい。自分たちが開発した技術やソリューションの受け皿を探しやすい。ユニコーン企業を目指すのではなく、技術やソリューションを活かすパートナーを探す企業が多いことも台湾スタートアップの特徴であると言うことができる。

イノベーションを取り込もうとしているベンダー側も積極的にスタートアップを探している。ベンダーの周辺にはVCやエンジェル、アクセラレーターやメンターがいる。スタートアップ側からするとプロトタイプの製作や実証実験の機会も探しやすい。こうした両者の利害が一致する環境がComputexとInnoVEXというイベントに新たな方向性をもたらしたといえるだろう。Computex2020 & InnoVEX2020開催概要はこちらから(http://www.tcatokyo.com/Computex2020-1.pdf)Computex2020出展に関してはこちらから(http://www.tcatokyo.com/Computex2020-2.pdf)InnoVEX2020出展に関してはこちらから(http://www.tcatokyo.com/InnoVEX2020.pdf)

台湾にはハードウェアベースのスタートアップが多いのはこうした背景があるからである。ソフトウエア系、Web系よりハードウェア関連のスタートアップが圧倒的に多いのが台湾の特徴。アプリケーション開発、ビジネスソリューション系、クラウドタイプではなく、ハードウェアの調達や供給を伴うソリューションが多い。この点も台湾の「強み」を活かした台湾独特なスタートアップ・エコシステム(新創生態系)と言えるだろう。

<写真11>InnoVEXは2016年からComputexに併設されたスタートアップイベント、写真はピッチコンテストの様子

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